廃炉、4プロセスで30年間

 

 今回事故を起こした東京電力福島第1原発だけでなく、日本中の多くの原発で廃炉が進んでいます。廃止措置は通常、四つのプロセスをトータルで約30年かけて行われます。

 廃炉に伴って生じるごみや廃棄物は、放射性物質の含まれる程度によって、5種類に分類されます。その中に含まれるのが低レベル放射性廃棄物です。名前を聞いたことがある方も多いのではないかと思います。

 実は原発の廃止措置に伴って生じる廃棄物の大半は、放射性廃棄物ではない(放射性物質の含まれない)一般の廃棄物です。廃炉によって生じる廃棄物の93%は、一般のビルを解体するときに生じるようなコンクリートや鋼材のような廃棄物なのです。

 ご存じの通り、天然にも放射性物質は存在するため、どんなコンクリートも土の種類によって天然の放射性物質がある程度含まれます。そのため、放射性物質を含まない廃棄物という言い方は厳密には正しくありませんが、前述の93%の一般の廃棄物の残りの7%が、原発に関わる放射性物質をある程度含んだ廃棄物ということになります。この7%が、その放射性物質のレベルに応じて残りの4種類に分類されます。次回はその分類について説明します。