管理は数百年から数十年

 

 日本中の多くの原発で廃炉が進んでいます。廃炉に伴って生じるごみ、廃棄物のうち、約7%が放射性物質の存在を考慮しなければならないものです。そして、その中の約7割から8割、つまり全体の5%程度は、クリアランス制度により、放射性廃棄物から除外され、普通の廃棄物として処分したり、資源として再利用したりできるようになるものです。

 残りの2%程度のことを、低レベル放射性廃棄物と呼びました。低レベル放射性廃棄物は、放射能レベルの比較的高いものから低いものまでの三つに分けられ、それぞれL1、L2、L3と呼ばれるのでした。

 L1からL3は、処理の方法がそれぞれ異なります。

 L1は最も放射能レベルの高い群なので、地下50~100メートル程度の場所に人工構造物の中に包んで埋め、数百年の管理を行います。

 L2は中間なので、地下10メートル程度の場所に人工構造物の中に包んで埋め、数百年の管理を行います。

 L3は最も放射能レベルの低い群のため、特に人工構造物の中には包まず、直接地下の浅い所に埋め、数十年の管理を行います。

 このように、低レベル放射性廃棄物の処理は、そのレベルに従って処理手順や期間も決められています。

 (福島医大放射線健康管理学講座主任教授・坪倉正治)