甲状腺被ばく 比較すると

 

 甲状腺は食品に含まれる「ヨウ素」を取り込み、新陳代謝に重要な甲状腺ホルモンをつくっています。

 東京電力福島第1原発事故直後、「放射性ヨウ素」が飛散し、空気や水・食品から体内へ一部取り込まれたことは事実です。しかしながら、今回の事故での「放射性ヨウ素」による甲状腺の被ばく量は、チェルノブイリ事故後に比べ、全体として文字通り「桁違い」に少ない結果に抑えられました。放射線による発がんなどへの健康影響は、被ばく「量」と関係します。

 「放射性ヨウ素」の半減期は8日と短く、今現在はもう存在していません。その当時に千人規模で行われた甲状腺被ばく量の計測や、各大学の研究者、国連や世界保健機関(WHO)など、さまざまなチームによる検査や推定が行われています。チームごとに推定や検査結果の程度の差こそあれ、全体としてチェルノブイリ事故後の甲状腺の被ばく量に比べて桁違いに少ないという結果に変わりはありません。