セシウムためづらい海水魚

 

 原発事故以降、水産物に対する放射性物質の調査が週1回程度、継続的に行われています。

 水産物の汚染は全体として低減してきていますが、農作物と同様、水産物の中でも放射性物質による汚染が残りやすいものと、残りにくいものが分かれます。

 例えば、海水魚と淡水魚を比べると、海水魚の方がセシウムを体外に排出しやすく、汚染しにくいことが分かっています。

 魚や貝は、カリウム、ナトリウム、マグネシウムなどのミネラルと同様、水や餌を通して放射性セシウムを体内に取り込みます。その一方で、人間と同じく尿そしてエラから体外に排出します。海水魚では自身の体液に比べて周りの海水に多くのミネラルが含まれる(濃度が高い)ため、体内からどんどん排出され、真水に生きる淡水魚のように体内のミネラルを強く保持する必要がありません。

 そのため、海水魚の方が淡水魚より放射性セシウムを体内にためづらく、汚染しにくい傾向があるのです。