環境被ばくでがん増えず

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 放射線被ばくによる身体への影響は、その被ばく「量」の問題です。どの程度の「量」浴びると良くないのか。この問いに答えるために、〈1〉医療被ばく〈2〉環境被ばく〈3〉職業被ばくなど、これまでさまざまな状況下での調査が行われてきました。

 環境からの放射線による健康影響については、自然放射線が高い地域で調査が行われています。よく知られるのが、ブラジル南東岸(ガラパリ)、インドのケララ、イランのラムサールといった地域です。トリウムやラジウムといった自然の放射性物質が多く存在し、日本平均より2倍から10倍程度自然放射線「量」が多い地域です。

 例えば、年間の外部被ばくが平均4ミリシーベルト、最大で数十ミリシーベルトにも達するインドのケララでは、1990年代からさまざまな健康調査が行われ、これまでのところ、がんによる死亡率や発症率の明らかな増加は報告されていません。

 また、これらの地域では生まれる子どもの男女比、先天性異常、流産・死産や乳児死亡率なども他の地域と差がなかったことが報告されています。

 ちなみに、高線量地域として有名だったガラパリは都市化(アスファルト舗装)によって放射線が遮蔽(しゃへい)され、線量が下がりました。