核兵器の材料工場で火災

 

 第2次世界大戦中の広島と長崎への原子爆弾の投下だけではなく、その後の核実験および核処理施設・原子力発電所での事故など、さまざまな理由で放射線被ばくは引き起こされてきました。中でも原子炉が関係する事故は、チェルノブイリやスリーマイル、今回の福島第1原発だけではありません。

 1957年10月10日、英国カンブリア州のウィンズケール原子力施設(現在のセラフィールド)で原子炉から火災が発生し、周辺地域に多大な放射能汚染をもたらしました。最大レベル7まである国際原子力事象評価尺度(INES)でレベル5の事故と評価されています。

 その当時、この原子炉は発電のためではなく、核兵器の材料作りのために稼働していました。この事故で環境中に放出された放射性ヨウ素やセシウムは、福島第1原発事故での約100分の1から千分の1だったことがいわれていますが、その後もこの施設では放射性物質の放出事故が度々起きました。

 現在では原子力発電所だけではなく、日本を含めた世界各国の核燃料の再処理施設など、さまざまな原子力関係の施設が稼働しており、企業と地域住民との対話も続けられています。