国外の機関で計測し比較

 

 廃炉作業が進められている原発周囲に保管されているトリチウムを含む処理水の放出に関して先日、国際原子力機関(IAEA)から、その安全性を評価した報告書が出版されました。

 処理水に含まれる放射性物質の計測については、日本国内では東京電力を含むいくつかの機関で行われていますが、本当にその方法が適切で、計測値が正しいのかを担保するために、IAEAではさらにいくつかの取り組みがなされています。

 その一つが国外のさまざまな機関で同じように計測をしてもらい、国内の結果と比較することです。モナコとオーストリアのウィーンにあるIAEAの研究所に加え、米国、フランス、スイス、韓国にある第三者研究所も参加して計測が行われました。

 その結果、〈1〉東電の行っている測定の精度と技術力が十分であること〈2〉計測している試料の採取が適切であること〈3〉さまざまな放射性物質に対する計測の方法が適切であること、そして、〈4〉IAEAの関係機関やその他の第三者機関からも、東電が計測している放射性物質以外の放射性物質を検出することはなかったこと―が確認されています。