放射線うつることはない

 

 今さらですが、大切なことなので、放射線と放射性物質、そして被ばくと汚染の違いについておさらいしておきましょう。

 線香花火に火をつけると、中心の火種は赤く燃えながら、周りにバチバチと火花を散らします。最初は勢いよく散っていた火花も時間がたつと勢いが弱まり、最後に火は消えてしまいます。例えるなら火種が放射性物質、火花が放射線、勢いが半分に弱まる時間を半減期と言います。

 その他の例として、温かいコーヒーがコップに入っているところを想像してみましょう。そのコーヒーカップは周りに熱を発しながら、徐々に冷えていきます。この場合、コーヒーを放射性物質、周りに発せられる熱を放射線、徐々に冷えていく時間を半減期と例えています。

 この場合、コーヒーがこぼれてどこかが汚れることと、そのコーヒーから発せられる熱を受けることは全く状況が異なります。ここでは、コーヒーから発せられる熱を受けることを、放射線を受けること(=被ばく)に例えており、コーヒーがこぼれてどこかが汚れることを、放射能汚染に例えています。

 そのため、放射線を受けたとしても、そこからその周辺が汚染されることは全くありません。つまり、放射線がうつることはありえません。

 このようなことは、多くの皆さんにとってきっと当たり前のことだと思いますが、いったん県外に出ると、当たり前ではない場合があります。どんな例でも良いので、自身で説明できるようになれると良いなと思っています。