人への影響はシーベルト

 

 前回は、よく出てくる単位のベクレル(Bq)とシーベルト(Sv)についておさらいしました。

 ベクレルを使う場合は、必ず「もの」が主語になります。シーベルトは人間のための値なので「ひと」が主語になります。この食品は○ベクレル、この土壌は○ベクレルというのに対して、この食べ物を食べると人への影響は○シーベルト、この空間線量の場所にいると人への影響は○シーベルトとなります。

 では今回は、外部被ばくと内部被ばくのおさらいです。身体の外に放射性物質があり、そこから出る放射線を受ける場合を外部被ばく、身体の中に放射性物質があり、そこから放射線を受ける場合を内部被ばくと言うのでした。

 そして、外部被ばくより内部被ばくの方が危ないという表現は正しくありません。放射線の身体への影響はその量の問題です。

 例えば、鉄1キロと綿1キロのどちらが重い?というクイズがあります。何となく鉄1キロの方が重いような気がしますが、重さの単位はそういうものではなく、1キロであればお互いに同じ重さです。

 外部被ばくと内部被ばくも同様です。前記のシーベルトという単位を用いれば、外部被ばくでも内部被ばくでも同じ尺度で身体への影響を考えることができます。身体の受けた放射線の量(シーベルト)が多い方が、身体への影響が大きいということになります。