いわきFC、J1・清水に惜敗 天皇杯3回戦、攻め貫くも0-2

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【清水―いわき】前半、相手ゴールに迫るいわきFCのFW平岡〈10〉=12日、静岡市・IAIスタジアム日本平

 サッカーの第97回天皇杯全日本選手権第4日は12日、静岡市・IAIスタジアム日本平などで3回戦16試合が行われた。本県代表で初出場のいわきFC(県社会人リーグ1部)は、J1清水エスパルスに0―2で敗れ、2012(平成24)年の福島ユナイテッドFC以来となる4回戦進出は逃した。

 2回戦でJ1北海道コンサドーレ札幌を破る金星を挙げて3回戦に進出したいわきは、前後半それぞれ開始直後に失点。最後まで攻めの姿勢を崩さず決定機もつくったが、得点は奪えなかった。試合には交代で清水のMF金子翔太(JFAアカデミー福島出身)も出場した。

 競り合いはほぼ互角

 2枚目のJ1の壁は厚かった。いわきFCは、試合開始間もなく失点すると、後半も早々に追加点を奪われ、J1の力を見せつけられた。ただ、県社会人リーグ1部に所属するいわきFCは、国内サッカーリーグのカテゴリーで7部に相当。1部に当たるJ1清水の主力メンバーを相手に見せた勇猛果敢なプレーは、J1をカテゴリーの開きほど遠くない存在に感じさせた。

 2回戦でJ1札幌を破って勢いに乗るいわき。再びJ1クラブ撃破を目指したが、テクニックや場数を踏んだ経験差が、試合中の随所に実力差として表れた。

 静岡県サッカー協会によると、同県出身の現役Jリーガーは約100人。同県は日本代表の長谷部誠や「ゴン」の愛称でおなじみの中山雅史を輩出した藤枝東高や、"キングカズ"こと三浦知良の出身校静岡学園高など、強豪校や強豪クラブがひしめく、いわば日本の「サッカー王国」。敗れはしたものの、静岡のサッカークラブをリードする清水との試合で随所に光るプレーを見せたいわきFCは、「いわき」の名を全国に知らしめたことになる。

 いわきは、日本のプロ選手が海外選手に劣るとみている体格や体力に着目し、「フィジカルスタンダード」を変えることを理念の一つに掲げてきた。大学や高校を卒業後すぐに加入した選手も少なくない中、ロングボールやこぼれ球の競り合いで清水と互角の試合を展開。その戦いぶりは、チームが掲げる理念の説得力を明示し、震災と原発事故による風評被害から回復しつつある「いわき」の知名度アップにも貢献した形だ。