いわきFCが「東北2部」昇格 福島県社会人リーグ1部で初V

 
【F.F.C.松下―いわきFC】前半4分、味方から受けた浮き球をボレーシュートするいわきFCのFWルーカス=あづま総合運動公園第2多目的運動広場

 サッカーの第43回県社会人リーグ1部第6節は22日、福島市のあづま総合運動公園第2多目的運動広場で行われ、いわきFCが4―0でF.F.C松下(県北)を破り、初優勝を果たした。いわきは東北社会人リーグ2部への昇格を決めた。

 両チーム残り1試合を残し、いわきは勝ち点27。勝ち点19で2位のF.F.C松下が次節を勝利しても逆転できないため優勝が確定した。

 いわきは今季第22回県選手権大会・第97回天皇杯全日本選手権県代表決定戦、第24回全国クラブチーム選手権県大会、第53回全国社会人サッカー選手権県大会、第53回全国社会人サッカー選手権大会東北予選会、第24回全国クラブチーム選手権大会東北大会に続き六つ目のタイトル獲得となった。

 いわきFCは28日、岩手県遠野市で開幕する全国クラブチーム選手権大会に東北第1代表として出場する。

 雨中の「肉弾戦」4発

 本格始動2年目のいわきFCがまた一つ栄冠を手にした。15日に福井県で行われた第53回全国社会人サッカー選手権2回戦敗退で、今季最大の目標とした「飛び級」での日本フットボールリーグ(JFL)参入の道が途絶えて迎えた最初の公式戦。選手会長のFW菊池将太は「下を向かずまた前を向いて進んでいく」と全選手の思いを代弁した。

 台風21号の接近で、降り続く強い雨でピッチ全体に水たまりができる最悪の条件だった。いわきはボールが思うように転がらず、ショートパスが無理と分かるとロングボールや空中戦で攻め立てた。田村雄三監督が「今日はサッカーじゃない。肉弾戦だった」と話すように両チームの選手が転び、泥だらけになりながらボールを追い掛けた。

 いわきは後半開始からパワーのある菊池将、MF金大生(キムデセン)らを投入。単純にゴール前にボールを放り込む作戦で、菊池将が右クロスに頭で合わせるなどして手堅く加点した。雨の試合の鉄則を徹底したいわきに軍配が上がった。

 来季は一つカテゴリーを上げて、東北社会人リーグ2部での戦いとなる。目標とするJリーグ参入まで険しい道のりが続くが「一つ一つ階段を上る。次は東北でいわきFCの存在を示していく」といわき総監督の大倉智いわきスポーツクラブ社長。菊池将も応援するファンやサポーターらに感謝しながら「まだまだ頑張ります」と決意の言葉を口にした。