倒木で本殿屋根損壊 相馬・国重文の涼ケ岡八幡神社、強風影響

 
倒木で屋根が破損した国指定重要文化財の本殿(涼ケ岡八幡神社提供)

 相馬市坪田の涼ケ岡(すずみがおか)八幡神社で、国の重要文化財に指定されている本殿の屋根が倒木で破損したことが18日、分かった。倒木は強風が原因とみられる。

 宮司の遠藤盛男さん(80)によると、16日朝、境内を見回っていた際に本殿裏のスギが折れ、直径60センチほどの幹が倒れていることに気付いた。倒木で本殿の屋根を覆っていた銅板に枝が突き刺さり、下地の部材も破損した。

 このほか本殿を囲む玉垣も一部が押しつぶされた。15日夕の境内巡回では異常がなかったという。遠藤さんは「(16日朝までに)とても強い風が吹いた。そのせいで倒木したのではないか」と話している。

 18日には屋根の破損した部分を防水シートで覆うなど応急修理を実施した。同神社では国重文に指定されている複数の社殿の保存修理が行われている。本殿は2025年から本格的に工事が行われる見込みだったが、屋根の修理は予定されていなかった。遠藤さんによると、同市中野の初発神社でも同日までに倒木があり、社殿の屋根が破損したという。