現職・山口氏が引退表明「後進委ねる」 喜多方市長選出馬せず

 

 任期満了に伴い来年1月21日告示、同28日投票で行われる喜多方市長選で、現職の山口信也氏(76)=2期=は3日、「公約がほぼ実現できた」として市長選に出馬せず、今期限りで政界を退く意向を表明した。

 市内で開かれた臨時の記者会見で、山口氏は幹線道路や新工業団地、JR塩川駅東西自由通路の整備などに触れ「懸案の事業に道筋が付いた。市政運営を後進に委ねる」と説明した。後継は指名しない考え。

 山口氏は喜多方市(旧熱塩加納村)出身。日大経済学部卒。県南会津農政事務所長、熱塩加納村長などを経て2010(平成22)年の市長選で初当選。原発事故後は風評払拭(ふっしょく)に向け、花でもてなす観光誘客やトップセールによる農産物の販路拡大などに注力した。

 市長選を巡っては、県議会議長などを務めた県議遠藤忠一氏(69)=自民、6期、元市議会議長伊藤弘明氏(58)が出馬の意思を固めているが、現時点で出馬を正式表明した候補者はいない。衆院選後に動きが本格化するとみられる。