三春町長に新人・坂本浩之氏「初当選」 副町長経験者対決制す

 
初当選を飾り、万歳する坂本氏(右)と妻玲子さん

 任期満了に伴う三春町長選は8日、投開票が行われ、無所属新人の前副町長坂本浩之氏(63)が無所属新人の元副町長橋本国春氏(67)を1114票差で破り、初当選した。任期は21日から4年。

 4期目の今期限りで引退する現職町長を支えた副町長経験者による一騎打ちの選挙戦は、人口減少社会への対応などを争点に舌戦を展開。坂本氏は市街地の住民や町議有志らの支援を受け、町民、議会、行政が三位一体となったまちづくりを掲げて支持を集めた。

 投票率は60.33%で、2015(平成27)年の前回を7.27ポイント下回り過去最低だった。当日有権者数は1万4589人(男性7169人、女性7420人)。当選証書付与式は9日、町役場で行われた。

 三春町『二分』...一体感急務

 副町長経験者による一騎打ちとなった三春町長選は、前副町長坂本浩之氏が、元副町長橋本国春氏との激戦を制した。

 坂本氏は複数の町議から出馬要請を受けて立候補した。人口減社会に対応するための新たな仕組みづくりを課題に挙げ、町民や議会、行政が三位一体で取り組む必要性を訴えた。住民有志や同級生らでつくる自主応援組織を中心に町内全域に浸透、投票日が近づくにつれて支持の輪を広げた。

 橋本氏は現職町長の後援会を軸に組織戦を展開。多世代が住みやすいまちづくりを掲げたが、当選には届かなかった。

 両氏の経歴が似通い、主張に大きな相違がなかったため「選挙の構図が見えにくい」との声も聞かれた。結果的に両者の得票数は、町を二分した形だ。ごみ処理を巡る近隣自治体との連携など、課題解消には全町的な取り組みが不可欠。坂本氏が選挙戦で強調した「議論の土台づくり」が急務だ。

◇三春町長選開票結果(選管最終、敬称略)
当4,920 坂本 浩之 63 無新
 3,806 橋本 国春 67 無新