問われる「支援策」 仮設入居者は減少傾向、住宅集約へ

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問われる「支援策」 仮設入居者は減少傾向、住宅集約へ

 震災と原発事故による避難者数は2012(平成24)年5月の16万4224人をピークに減少傾向が続き、現在は約12万人となっている。このうち仮設住宅の入居者数は避難者全体の約2割に当たる2万4098人(1月30日現在)。避難先などで住宅を取得したり、公営住宅への入居などで避難者数同様、減少傾向にある。

 仮設住宅の入居期間は1年ごとに延長が決まり、現在は3度の延長を経て来年3月末までとなっている。さらに期限延長を避けられない入居者もいる。一方、仮設住宅の集約に向けた動きも出ている。新地町は仮設住宅を8団地から2団地に集約する方針を示し、県と富岡町は、同町民が入居する三春町内の沢石仮設住宅を新年度中に撤去、土地を三春町に引き渡す考えを入居者に示している。

 仮設住宅の空き室が多い場合、市町村側にとっては集約した方が管理の負担軽減につながる。空き室の状況や復興公営住宅の整備の進み具合などを踏まえながらだが、仮設住宅を撤去する動きが今後、多くなることも予想される。

 "心のケアを" 相談員を倍増し対応

 避難の長期化に伴い、ストレスが増加し、避難者の心のケアは一段と必要性を増している。県は新年度、仮設住宅などで避難者の相談に応じる生活支援相談員を現行の約200人から400人に倍増するなど支援策を強化する。

 仮設住宅から復興公営住宅に住み替える人が不安を抱えているケースもある。郡山市の復興公営住宅に暮らす大熊町民と安倍晋三首相らが2月28日、同市で意見を交わした。

 団地での生活は初めてという男性は「人にも慣れず、どうすればいいのかと毎日考えている」と悩みを吐露した。安倍首相も「新しい生活が始まることや新たに絆をつくることができるだろうか、という不安があるのだろう」と住民の切実な声に耳を傾けていた。

 仮設住宅の劣化も進んできている。県は一斉点検の結果や住民からの要望を受け、必要な部分への修繕を続けている。

 南相馬市、孤独死防止へ自宅立ち入り 

 南相馬市の仮設住宅で昨年3月から3カ月続けて1人暮らしの高齢者が孤独死したことを受け、同市は仮設、借り上げ住宅の1人暮らし高齢者と3日間、連絡が取れない場合、警察などと協力して自宅に立ち入る対応を取っている。市社会福祉協議会の生活支援相談員、県派遣の「絆職員」らと連携し、見守り体制を敷いている。

 ただ、同市で起きた孤独死は、いずれも心筋梗塞などの突然死で「1人暮らし世帯がある限り(孤独死を)完全に防ぐのは難しい」(市健康福祉部)のが現状だ。市の担当者は「避難指示の解除を含め、原発事故で失われたコミュニティーの再構築が一番の対策になる」と説明する。

 また、避難の長期化に伴う運動不足、偏食による健康の悪化も突然死につながっている可能性があるという。行政主導の住宅再建が求められる一方、食事に気を付け、定期的に健康診断を受診するなど「住民自身が健康への意識を高めることも重要」と話している。