汚染水低減に道筋 第1原発1号機「溶融燃料」発見ならず

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汚染水低減に道筋 第1原発1号機「溶融燃料」発見ならず

 東京電力福島第1原発の事故から間もなく4年半。喫緊の課題となっている汚染水対策は、政府と東電が抜本的な対策に位置付ける「サブドレン計画」が稼働し、日々増加する汚染水の発生量低減に一筋の光が見えてきた。一方で、原子炉内部で溶け落ちた核燃料(デブリ)の位置や状態はいまだ分からず、事故から30〜40年とされる廃炉完了の目標は依然かすんでいる。

 福島第1原発は、東日本大震災の地震と津波で電源を喪失。冷却機能を失い、1〜3号機で炉心溶融(メルトダウン)が起きた。2017(平成29)年前半には、廃炉の最難関とされるデブリの取り出しに向けた大まかな工法を各号機で決める予定だが、そのためにはデブリの状態を把握しなければならない。

 1号機では、宇宙線を利用した調査で核燃料がほとんど溶け落ちていることが3月に確認された。さらに、4月にはロボットによる格納容器内部の調査に初めて成功したが、デブリそのものの発見には至らなかった。2、3号機はまだ、格納容器内部の調査に向けた準備段階だ。

 デブリを取り出す方法は政府の原子力損害賠償・廃炉等支援機構が4月、格納容器内を水で満たす冠水工法、水を張らない気中工法など3工法を検討課題として示した。しかし、冠水には格納容器の補修、気中には放射線の遮蔽(しゃへい)、放射性物質の飛散防止など、それぞれ難題を抱えている。また1〜3号機の使用済み核燃料プールには、計1500体以上の核燃料集合体が残っている。政府は6月、廃炉に向けた中長期ロードマップ(工程表)を改定。プールからの燃料取り出し時期を従来の計画より2〜3年程度遅らせ、最も早い取り出し開始を予定する3号機は本年度前半から17年度中に変更された。

 プールからの燃料取り出しに向け、1号機では建屋カバーの解体が本格化。2号機では大型重機を設置するための作業エリア確保などを行っている。3号機では8月、プールに落下していた約20トンの大型がれきの撤去に成功したが、まだ建屋上部にはがれきが散乱しており、地道な除去作業が続いている。

 高線量下、鍵握る「調査ロボ」 

 福島第1原発1〜3号機の廃炉作業の最難関となる原子炉内で溶け落ちた核燃料(デブリ)の取り出しに向け、1号機の格納容器内で4月に行われたロボット調査では内部の撮影に成功し、一歩前進した。しかし、いまだデブリの位置や状態は確認されておらず、人が入ることのできない高線量下の作業の難しさを突き付けられている。

 2号機では8月にロボットによる格納容器内部の調査が予定されていたが、ロボットの投入口にあるブロックの撤去作業が難航し、工程に遅れが生じている。東電は9月下旬にも小型重機でブロックを撤去する予定だが、撤去できない場合に備え、新型装置の開発も並行して進めている。3号機では、10月に線量計や温度計が付いた小型カメラを格納容器内に入れ、容器内にたまっている水の状況やロボットの通路があるかどうかを確認する。

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