エフレイ施設構造設計、新年度から着手へ 機能別、4区間に配置

 

 復興庁は新年度、浪江町に設立したエフレイの研究開発拠点となる施設の構造の設計に着手する。研究者の活動場所や住民が出入りできる複数の施設を設ける方針で、規模は延べ床面積計8万3900平方メートル以上となる見通しだ。

 施設整備の指針となる「施設基本計画」によると、敷地面積は東京ドーム約3・5個分に相当する16・9ヘクタールで、敷地内を機能別に「連携・交流ゾーン」「研究支援ゾーン」「研究施設ゾーン1」「研究施設ゾーン2」の4区画に分けて各施設を配置する。

 連携・交流ゾーンはJR浪江駅に近接し、住民も利用できる食堂や喫茶室、展示室などが入る「本部機能支援施設」をはじめ学会などで使う約500人収容のホールや講堂、図書室などを集約した施設を整備する。エフレイの管理と運営を担う本部施設も置く。

 敷地北側の研究支援ゾーンには、共同研究者や大学院生ら向けの短期宿泊施設をつくる。研究施設ゾーン1には研究者らがデスクワークや研究活動を行う「研究実験施設」を設置し、エフレイは2029年度までに国内外から研究者約500人を集める方針。研究施設ゾーン2には特殊な研究機器などを備え、大がかりな実験などを行う際に使用する「固有実験施設」を設ける。

 各施設の外観は周辺の景観や街並みに調和した色彩を重視し、地元産材の活用も検討する。誰でも利用できる広場や散策路も整備する。災害時には避難所として活用する。

 自前の研究施設がまだ整備されていない中、地元からは施設を基盤に地域に根差した研究体制の構築や地域振興につながる研究成果を求める声が上がっている。復興庁は30年度までに施設を順次開設する方針で「(施設の開設は)可能な限り前倒しする」としている。