「つくし」 春の野原、根っこの不思議

 
福音館書店 1100円

 春になると野原や道ばたにいっせいに頭を出すつくし。寒い冬が去り暖(あたた)かくなると、うれしくなりますね。この絵本はみずみずしく優(やさ)しい絵で、つくしの1年間を紹介(しょうかい)しています。

 つくしを摘(つ)んだことはありますか。根元からプツンプツンと切れて根っこが出てきません。不思議ですね。では根っこを掘(ほ)ってみましょう。掘っても掘ってもきりがない。あっちにうねうね、こっちにうねうねとどこまでも伸(の)びる根っこ。その根から伸びている草がありました。それはすぎなです。春が過(す)ぎつくしが枯(か)れると、次はすぎながいっせいに生えてきます。つくしとすぎなの関係は...。

 さて、つくしは食べることができます。天ぷらやおひたし、卵(たまご)とじなど、とてもおいしいですよ。作者の甲斐信枝(かいのぶえ)さんは野原に何日も通って花や虫を描(か)き「たんぽぽ」「稲(いね)と日本人」などたくさんのすばらしい絵本を残しました。皆(みな)さんもつくしを摘みに行ってらっしゃい。

 ※福島子どもの本をひろめる会が推薦する本を紹介しています