おいしさそのまま、朝取り会津野菜を全国へ 西会津の永井洋彦さん
西会津町の会津野菜は、会津地方の契約農家が育てた旬の朝取り野菜を全国の消費者に発送している。永井洋彦社長(46)は「会津の豊かな風土が育んだフレッシュな『会津野菜』のおいしさを全国に広めたい」と語る。
永井さんの一日は、喜多方市や西会津町などの契約農家を巡り、その日の朝に収穫された野菜を集荷することから始まる。西会津町の作業場に戻ると、夕方までに数種類の野菜をセットにして箱詰めしホームページなどで注文があった消費者宛てに発送する。一部を除き、翌日には届くという。
教材作りきっかけ
永井さんは小学2年までいわき市で暮らし、小学3年の時に東京に引っ越した。大学卒業後は広告や教材、教科書の制作会社に就職。農業関連の教材作りに携わったことがきっかけで、農業に関心を持った。
永井さんの母は喜多方、父は西会津出身で、会津には縁がある。「会津で食べる野菜と関東のスーパーに並ぶ野菜の鮮度の違いに驚いた」と永井さん。「会津野菜を、鮮度を保ったまま消費者に届けたい」との思いで一念発起し、2019年に会津野菜を設立した。
手紙、レシピ添えて
野菜を詰めた箱には農家からの手紙や野菜をよりおいしく味わうためのレシピを添えており、農家と消費者の思いをつなぐ役割も担っている。「お客さんから届く『おいしかった』の声が農家さんに一番喜ばれる。ゆくゆくは会津野菜が京野菜や鎌倉野菜と並ぶブランド野菜の一つに育ってもらえれば」と笑顔を見せる。