【みんゆう特命係】ごみ削減へ仲間つくろう 滝沢秀一さん講演

 
「人と物に敬意を表することで、ごみは減らせる」と訴える滝沢さん

 お笑い芸人として活動しながら、ごみ収集会社で清掃員を務めるマシンガンズの滝沢秀一さんは17日、三春町の県環境創造センターコミュタン福島で、ごみ問題について講演した。「人と物に敬意を表することでごみは減らせる」と問題解決のヒントを伝えた。

 「顔見える関係の社会では、分別進んでいる」

 3日付の本紙「みんゆう特命係」で報じたように、本県はごみ排出量が全国でも多く、削減が課題となっている。滝沢さんは講演でごみの捨て方に言及し「地域コミュニティーがしっかりとしている所は、ごみ集積所が整頓されている。自分のごみ出しは、他人に影響を与える。顔の見える関係の社会では、ごみの分別が進んでいる」と語り、リサイクルに取り組む仲間づくりの大切さを強調した。

 滝沢さんは、ごみ収集に携わっている経験から「ごみは生活の縮図」と分析。高級住宅街は、ごみ排出量が少ない傾向にあることに気付く一方、一般住宅街では少し前まで、100円で買えるような物が新品に近い状態で大量に捨てられていたという。「あまり使っていない物を捨てるのは、お金を出してごみを買うようなものだ。小さな消費の積み重ねが、大きな浪費につながる」と指摘した。

 国内の食品ロスが世界の食料支援量を上回っている現状をデータで示し「誰かが食品を作ってくれたと思えば、簡単に捨てられない。ごみかどうかは人の心が決める。思いやりがあれば、ごみは減り、資源が増える」と訴えた。

 講演会は、同センターが「ごみ収集の現場から考えるSDGs(持続可能な開発目標)」をテーマに主催した。