福島成蹊、歴史を刻んだ『夏』に幕 「考える力」...ナイン共有
歴史を塗り替え続けた福島成蹊の夏が終わった。「一つ一つの試合に全力を尽くした結果」。主将上遠野浩輝(3年)はすがすがしい表情を見せた。
快進撃を続け、夏の最高成績ベスト16を上回った。金子淳監督は「個々の力は決して準決勝レベルではないかもしれないが、一つのプレー、一つのアウトの意味を考えられる学年だった」とねぎらった。
指揮官の言葉通り、躍進の陰には生徒の考える力があった。練習中のミスは互いに指摘し、ミーティングでもチームの方針を徹底して共有した。
最後のプレーになった6回裏。連続申告敬遠による無死からの満塁策。選手は作戦の意図を理解。内野は併殺態勢を取り、マウンドの八巻悠人(同)も低めの変化球を投じた。無情にもボールはキャッチャーミットをかすめ、歓声と悲鳴が交錯する中で11点目を献上。秋の県大会に続く決勝進出は断たれた。
「できないと思っていた試合ができた。負けてしまったけれど野球ができたことが何よりもうれしい」。そう話す上遠野の顔が誰よりも輝いていた。