郡山北工「激闘」制す 延長14回、歓喜のサヨナラ打
第103回全国高校野球選手権福島大会第7日は15日、いわき市のいわきグリーンスタジアムなどで3回戦8試合が行われた。郡山北工は延長14回タイブレークの末、4―3で湯本をサヨナラで下した。第1シード東日大昌平は10―0の6回コールドで喜多方に勝利し、第2シード聖光学院は5―2で帝京安積を退けた。タイブレークは延長13回から無死一、二塁で始まる。第8日の16日は同スタジアムなど3球場で3回戦8試合が行われ、ベスト16が決まる。
2年・白岩が殊勲の一打
快音を残し、白球が左翼手の頭上を越えて芝生で弾んだ―。今大会初のタイブレーク。3時間24分の激戦。「大好きな先輩が自分の所に集まってきた」。延長14回裏二死満塁でサヨナラの一打を放った郡山北工の白岩享悟(2年)の笑顔が、歓喜の輪の中でひときわ輝いた。
初回に2点を先制したが、その後は追加点が奪えず延長戦に。追い込まれた展開だが「我慢すれば絶対勝てる」(白岩)。1失策の堅守で好機を待った。
2―3で迎えた14回裏。最大の好機で白岩が打席に向かった。福田俊彦監督は「代打も考えていた」と明かすが、1年生の秋から1時間以上かけて実家の田村市常葉町から通学、グラウンドに一番乗りでバットを振ってきた白岩の努力に懸けた。相手エースが投じた114球目。練習で使ってきたバットで外角の直球をはじき返し、エース大和田凌司(3年)の222球の熱投に報いた。
12年ぶりの4回戦は対戦を切望していた聖光学院。「チームを盛り上げる一打を打つ」と白岩。死闘をくぐり抜けた2年生には、王者にも臆せずぶつかる覚悟ができている。