聖光、2回戦敗退 夏の甲子園、仙台育英に2ー8

 
2回戦で仙台育英に敗れ、一塁側応援席にあいさつした後、肩を落としながらベンチへ向かう聖光学院ナイン=甲子園
2回戦
1
2
3
4
5
6
7
8
9
聖光学院
0
1
0
1
0
0
0
0
0
2
仙台育英
1
2
0
0
0
0
3
2
X
8

 第105回全国高校野球選手権記念大会は第7日の12日、兵庫県西宮市の甲子園球場で2回戦4試合が行われた。本県代表で2年連続18度目の出場の聖光学院は、東北勢として昨夏、初優勝を飾った仙台育英(宮城)に2―8で敗れ、4強入りした昨夏に続く2年連続の3回戦進出はならなかった。

 聖光学院にとって、昨夏の準決勝で敗れた相手との因縁の一戦。初回に先制を許したものの、二回1死三塁から松尾学武(がくむ)(3年)の犠飛で1点を返し、すぐさま同点に追い付いた。

 直後の二回裏、2死二、三塁から2点適時二塁打を浴びて勝ち越しを許したが必死に追いすがり、四回には杉山由朗(同)の右越え本塁打で1点差に迫った。守備でも先発の左腕小室朱生(しゅう)(同)を中心に落ち着きを取り戻し、松尾が好捕を見せるなど、昨夏の経験者が数多く残る王者と中盤まで互角の戦いを演じた。

 しかし七回、それまで粘りの投球を続けていた小室が仙台育英の強力打線につかまり、3点を献上。八回からマウンドを受け継いだ安斎叶悟(きょうご)(同)も2点を失い、苦しい展開を強いられた。

 仙台育英は四回途中から継投に入り、2番手として登板した右腕湯田統真(同、泉崎中卒)らが好投。相手投手陣に対し、聖光学院は六回、八回と得点圏に走者を進めたもののあと一本が出ず、昨夏の雪辱を果たせなかった。

 聖光学院の敗戦で、県勢の夏の甲子園での成績は40勝61敗となった。

 聖光魂、最後まで

 最後まで全力プレーを貫いた。12日に行われた2回戦で、仙台育英に2―8で敗れた聖光学院。「日本一」を目指したナインの戦いは幕を閉じたが、主将の高中一樹(3年)は「みんなで束になって最後の最後まで命懸けでやり切ることができた」と胸を張った。

 「やることはやったというプライドはある。聖光が求めている素晴らしいチームになった」。斎藤智也監督は教え子たちの奮闘をたたえた。試合は六回まで1点差で進む、一進一退の攻防。先発登板した小室(3年)は走者を背負いながらも粘投し、再三のピンチをしのいだ。だが味方打線は相手の好投手を打ち崩せず、五回以降は打線が沈黙し、小室を援護できなかった。

 仙台育英には昨夏の準決勝で、4―18で大敗。それでも指揮官は「好きな試合だった」と言う。どんなに点差が離れても、当時の選手たちが目の前の試合を泥くさく戦う姿に心を打たれていた。

 先輩たちの魂を受け継いだ今年のチームも、最後まで諦めない姿勢を貫いた。右翼手松尾(同)の2度にわたる好守など随所で野手陣がもり立てた。90人以上の控え選手らが陣取るスタンドも声で仲間を後押しした。1年秋から中心選手として活躍してきた三好元気(同)は「全員が最後まで諦めないという目つき顔つきだった」とチームの気持ちを代弁した。一人一人が全力を尽くした夏であることは間違いない。

 2回戦で聖地を去ることには悔しさは残る。それでも「最後は一体となって全員が同じ気持ちになれた」と高中。高みを目指し、ひたむきにプレーし続けた聖光学院の姿は後輩たちへと引き継がれていく。(熊田紗妃)

おすすめPickup!ニュースの『玉手箱』

過密日程でも「攻撃の質上げる」 いわきFC、28日アウェーで栃木戦