【学石センバツへ】中学で土台、生きた「本気の遊び」

 
「ランダウン鬼ごっこ」に取り組む石川義塾中の部員。楽しみながら運動神経を伸ばしている

 学法石川では近年、併設する石川義塾中の出身者が存在感を放っている。1996年以来27年ぶりの4強進出を果たした昨秋の東北大会で登録選手20人のうち石川義塾中出身者が7人を占め、中高が一体となった好循環が生まれている。

 東北大会では石川義塾中出身の大栄利哉(1年)や佐藤翼(同)らが躍動した。4番打者の大栄は全4試合で安打を放ち、投げては秋田第1代表の金足農から1失点完投勝利を挙げる「二刀流」の活躍を見せた。投手の佐藤は、昨夏の甲子園8強メンバーが残る八戸学院光星(青森)を8回1失点に抑えた。大栄と佐藤は「国分先生に教わったことが今に生きている」と語る。

 「国分先生」とは、石川義塾中軟式野球部で2017年から監督を務め、全国大会にも導いた国分大地さん(35)のことだ。「技術以前に、思うように体を動かせるようになることが大切だ」との考えに基づき、楽しく運動神経を伸ばす独自の練習を練り上げてきた。

 練習は部員がランニングと流行歌に合わせ、リズムよく跳びはねるウオーミングアップから始まる。すぐにはバットやボールに触らず、懸垂や綱登りなどに取り組む。視野を広げるためサッカーやバスケットボールをすることもある。

 野球の技術も楽しみながら身に付ける。名物の「ランダウン鬼ごっこ」では、グラブをはめた鬼が挟殺プレーのようにボールを回して逃げ手を追うことで、連係や判断力を磨く。国分さんは「子どもは遊びから学びを得る。選手の成長につながる『本気の遊び』を心がけている」と強調する。

 石川義塾中の選手は、学法石川の先輩から刺激を受ける。石川義塾中3年の小宅海叶(かいと)は学法石川主将の善叶(よしと)(2年)の弟で、兄を追って4月から学法石川に進む。小宅は「学石の先輩はスイングが速い。自分も高いレベルの選手になりたい」と目標を語る。

 学法石川が甲子園出場を決め、中学生も士気が高まる。「甲子園で元気にプレーする学石の姿を見たい。自分も高校で活躍して大栄さんや兄を超えたい」と小宅は春を待ちわびている。

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