被災のいわき総合、浸水に負けずプレー 秋季高校野球福島県大会

 
浸水被害を受けた中で大会に臨んだ平商・いわき総合の岡田主将(左から3人目)ら=16日、郡山市・ヨーク開成山スタジアム

 郡山市のヨーク開成山スタジアムで16日に行われた第75回秋季東北地区高校野球県大会で試合を行ったいわき総合は、記録的な豪雨で野球部の部室が膝下まで浸水するなどの被害に遭った。選手たちは十分な練習ができない中で大会に臨み、最後まで諦めず懸命なプレーを続けた。

 いわき総合があるのは、今回の豪雨で甚大な被害が出たいわき市内郷地区。部室の浸水に加え、野球ボールが水に漬かるなどした。ナインは連合チームを組む平商と10日にいわき総合グラウンドで大会前最後の合同練習を行う予定だったが、練習を取りやめ、両校の選手で浸水した部室や練習場の水をかき出すなどの作業を行った。「練習ができるのは当たり前のことではないと感じた」。この日の試合で先発した平商の宍戸陽生投手(2年)はそう話す。

 その後、両校は合同練習を行うことなく、それぞれのチームで調整を続け、大会に臨んだ。試合は立ち上がりに4点を失い、劣勢に立たされた。打撃陣は反撃を試みるも、相手投手に封じ込まれ、7回コールド負けを喫した。

 試合には敗れたものの、豪雨被害に負けまいと、学校の垣根を越え、支え合った両校の選手たち。「一緒に掃除をしてくれた。協力してくれるいい仲間だと思った」。いわき総合の岡田流空(るうく)主将(2年)は感謝の思いを口にした。

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