学法石川、出し切った...強豪と接戦「チームが一つになった」
最後は強豪相手に一歩及ばなかったが、東北の舞台で「学法石川」の名を鮮明に印象付けた。22日に行われた第76回秋季東北地区高校野球大会準決勝で、本県第3代表の学法石川は八戸学院光星(青森第2代表)に0―1で惜敗。各県の第1代表を次々に撃破した快進撃は止まったが、主将の小宅善叶(よしと)(2年)は「悔しさはあるが、チームが一つになったと実感できた」と手応えを口にした。
勝てば決勝進出とともに来春の選抜高校野球大会(センバツ)出場が有力視されるだけあって、互いに譲らぬ投手戦となった。準決勝のマウンドに上がった学法石川の佐藤翼(1年)は六回まで散発3安打に抑える投球だったが、七回に2連打と犠飛で1点を献上。味方打線は二、七回の好機を生かせず、最後までスコアボードに「0」が並んだ。
県大会では準決勝で聖光学院に敗退。3位決定戦で最後の切符を手にしたが、「このままでは駄目だ」と大会後に選手間ミーティングを重ねた。「もう一度一つになろう」と話したという小宅。敗戦を糧にチームは一体感を強めた。
東北大会では逆境に負けずに戦い抜いた。1回戦は終盤に3点差を逆転、第1代表と対戦した2回戦と準々決勝は大栄(おおさかえ)利哉(1年)が大車輪の活躍で接戦をものにした。佐々木順一朗監督は「大栄と佐藤翼が相手を何とかできることが分かったことが収穫だ」と大会を振り返る。悪天候による試合の中断も相次いだが、そんな時も小宅を中心に、「気持ち切らさずにここから行くぞ」と声をかけ合った。
センバツの出場校を決める選考委員会は来年1月26日。「選ばれるという思いで冬をしっかり過ごしていく」と指揮官。悔しさと充実感の両方を味わったナインは、冬場に力を蓄えながら吉報を待つ。(熊田紗妃)
センバツへ高まる期待
学法石川高の甲子園出場を願い、関係者の期待も高まっている。
同校が最後に春のセンバツに出場した1991年のチームで捕手を務めた浅川町の団体職員松本博幸さん(50)は「出場できたら、今までやってきたことを存分に表現してほしい」と激励する。プロ野球オリックス、ロッテで活躍した川越英隆さんとバッテリーを組み、同校のセンバツ初勝利に貢献した。「甲子園では一球一打に大きな歓声が上がっていた。後輩が東北の代表として戦う姿を見たい」と期待を寄せた。
石川町のヘアーサロンホシ店長の星亨(すすむ)さん(61)は同校野球部OBで、店には部員が散髪に訪れる。「今大会はチームが勝ち進むたびに、お客さんと『学石また勝ったね』と話していた。甲子園出場が決まれば、町は一層盛り上がるだろう」と笑顔を見せた。
東北大会準決勝を現地で見届けた森涼校長(59)は「一戦一戦力を付けて全国レベルの高校と引き締まった戦いをしてくれた。試合には敗れたが、吉報を待ちたい」と話した。
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