学石逃げ切り、27年ぶりベスト4進出、秋季東北高校野球

 
【金足農―学法石川】最後の打者を右飛に打ち取り、ガッツポーズする学法石川の渡辺莉。好リードで投手をもり立てた=こまちスタジアム

 来春の選抜高校野球大会出場につながる第76回秋季東北地区高校野球大会は第4日の19日、こまちスタジアム(秋田市)とグリーンスタジアムよこて(秋田県横手市)で準々決勝4試合が行われた。

 福島県第3代表の学法石川は金足農(秋田第1代表)と対戦し、3―1で勝利した。学法石川は1996年の第49回大会以来、27年ぶりの4強進出。20日は休養日。第5日の21日はこまちスタジアムで準決勝2試合が行われる。学法石川は第2試合(午後0時30分開始予定)で八戸学院光星(青森第2代表)と戦う。

 扇の要・渡辺莉央、流れ渡さず

 石川義塾中時代からの先輩、後輩のバッテリーが強い信頼関係に裏打ちされたプレーで勝利を呼び込んだ。学法石川の先発大栄(おおさかえ)利哉(1年)を冷静な試合運びでもり立てた捕手渡辺莉央(2年)は「周りに助けられながら、冷静にリードする持ち味を出せた」と安堵の表情だった。

 17日の2回戦からスタメンマスクをかぶる渡辺莉。2回戦で124球を投げ、疲れが見えていた大栄を「仲間を信じて、自分がエースだと思って投げてこい」と鼓舞。大栄は「莉央さんのことを信じて投げきります」と応じ、走者を背負いながらも粘りの投球で1失点完投。緊迫した試合に終止符を打った瞬間、2人は体いっぱいに喜びを表現した。

 渡辺莉の見せ場は四回と八回だった。四回1死二、三塁で「金足農の監督が今までと違うサインを出していた。スクイズかなと思った」。直感を信じて大栄に「外せ」のサイン。外した球に打者のバットは空を切り、三本間にはさんだ走者を自らアウトにした。八回無死二塁では送りバントを冷静に処理。二走を三塁で刺し、随所で後輩を支えた。

 あと1勝でセンバツ出場が大きく近づく。「守備は最少失点に抑えて、打撃は1点ずつ重ねたい」と渡辺莉。青森の名門・八戸学院光星に真っ向から挑む。(熊田紗妃)



◎――こまちスタジアム――◎
準々決勝
1
2
3
4
5
6
7
8
9
学法石川
2
0
0
0
0
0
0
0
1
3
金足農
0
0
0
1
0
0
0
0
0
1
(試合終了)

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