平工サヨナラ勝ち 1年生の9番水戸が殊勲
◇秋季東北地区高校野球福島県大会・第1日(16日・白河グリーンスタジアムほか10試合)
平工 4―3 帝京安積
9回二死二塁。一打サヨナラの絶好機で平工の9番打者水戸逞夢(たくむ)(1年)が内角の直球を振り抜いた。打球は中前にぽとりと落ちた。二走の加藤柊(同)が一気に生還。人生初のサヨナラ打を放った水戸は、ベンチから飛び出したナインにもみくちゃにされた。
1点を争う接戦となった。鈴木裕監督が「相手投手には完敗だった」と話す通り、打線はわずか3安打に抑えられた。苦しい戦いを強いられ、迎えた最終回。1死から四球で走者が出て、犠打で得点圏に進んだ。そこで水戸に打席が回った。「自分は良い感覚で打席に立てた」。狙い通りの直球を仕留め、「決めてこい」と期待を込めて力強く送り出してくれたチームメートらの信頼に最高の結果で応えた。
2年生が7人、1年生が20人の新チームは、スタメンに8人の1年生が名を連ねる。水戸はレギュラー争いを制するため、毎日午後8時を過ぎてもバットを振り込んできた。指揮官は「9番だが、気持ちが強く、上位につなげる打者」と水戸を評価する。「もっとご飯を食べて、バットを振り込みたい」。スタメンをつかんだ努力家が、打線のつなぎ役を全うする。(南哲哉)
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