畠副知事がバランスボールで執務 「背中の痛みがなくなった」

 
椅子をバランスボールに変え、執務する畠副知事

 階段利用を促すステッカーや「立ち会議」、ウオークビズ―。県民の健康指標の改善を目指し県が対策を進める中、県庁内でも健康づくりの動きが活発だ。バランスボールに座って執務しているのは畠利行副知事(62)。「まずは隗(かい)より始めよ」だ。

 副知事室に黒のバランスボール。一見、違和感を抱く光景だが、パソコンに向かう畠副知事の背筋は伸び、姿勢も良く見える。「背中の痛みがなくなった。体幹が鍛えられ、体のバランスも良くなった」。バランスボールに変えたのは昨年12月中旬。早くも効果を実感している。

 在庁時はデスクワークが多い分、椅子の時は自宅のマッサージ機で体をほぐしていた。「長時間、椅子に座っているのが腰椎に良くない」。そんな話を医療関係者から聞き、自宅で使っていたバランスボールを「県庁でも」と決意。程よい負荷が体にかかり、「座ると下腹部に力が入り、カロリーを消費していると感じる」。珍しい試みに、副知事室をのぞきに来る職員も増えたと笑う。

 体を動かすのが好きで、学生時代に始めた少林寺拳法は3段の腕前。スポーツジムではベンチプレスで120キロを持ち上げたこともある。一方、食生活では血圧を下げるため、タマネギの皮やイワシの缶詰を混ぜたサラダを食べるなど、健康づくりはバランスボールだけにとどまらない。

 県民の健康づくりを巡っては、本年度の県政世論調査で「何かしたいが、ほとんど実践できていない」が43.6%を占める。健康づくりの第一歩を踏み出せない現状も浮かび上がる中、畠副知事は「食生活や運動など、何か一つ、できることから始めて習慣にしてほしい。県としては新年度、もう一段、ギアを上げて健康対策に取り組む」と意気込んでいる。