被ばくの影響は量の問題

 

 これまで放射線についてさまざまな内容を紹介してきましたが、もう一度基本に立ち返りたいと思います。それは、放射線被ばくによる身体への影響は、浴びたか浴びていないか? ではなく、放射線をどれくらい浴びたか? という「量」の問題であるということです。

 放射線はもともと環境中に存在し、宇宙から、土や空気、食べ物に含まれている放射性物質からの放射線を、われわれは日常的にある程度の「量」を浴びていました。そこに原発事故が起きました。事故によってまき散らされた放射性物質により、ある程度被ばく「量」が増えたことは確かですが、体からすれば、天然の放射性物質も人工のものも同じです。問題なのはその「量」がどれくらい増えたか? です。

 これを知るために、5年以上検査が行われてきました。放射線の「量」は国や地域によって多少の差があります。その地域ごとの「量」の差の中に、今回の原発事故で増えた被ばく「量」は、幸いにもほぼ収まることが分かっています。

 皆さんのおかげで100回目を迎えることができました。いつも支えてくださる多くの方々に感謝です。