体から漏れる放射線測定

 

 放射線被ばくの身体への影響はその浴びた「量」の問題です。放射線や放射能がどれくらいあるかを調べるために、さまざまな測定器が存在します。

 人間の身体の中に元々ある放射性カリウムといった天然の放射性物質を代表に、体内にある放射性物質から出る放射線は、ごく微量ながら身体の外に漏れ出てきます。身体の真正面や、座った椅子の背もたれなど、身体のすぐそばに大きな放射線の検知器を置いて、その漏れ出るごく微量の放射線を検知しているのが、ホールボディーカウンターです。

 検知器にはこれまで紹介した、蛍光物質や半導体を使ったものなどさまざまなタイプがあります。食品の検査や、空間線量を測る際と同じ仕組みです。例えば2分間の計測の中で、身体の真正面にある大きな検知器は身体から出てくる放射線の種類と数をかぞえます。そこから逆算して体の中の放射性物質の種類と量を見ているのです。

 放射性カリウムからの放射線を検知する一方で、放射性セシウムからの放射線を検出しない。という結果が現在ではもうほとんどです。これは、天然の放射性物質は体内に含まれる一方で、セシウムを食べていることはない。ということを意味しています。