ネット情報、偏ったものも

 

 原発事故や放射線に関することについて、これまでさまざまなメディアでの発信が行われました。テレビや新聞・雑誌、インターネットやSNS(会員制交流サイト)など、それぞれのメディアは、情報の発信について長所と短所を持っています。それらメディアの特徴を知ることは、さまざまに飛び交う情報をしっかりそしゃくして前に進むために重要です。

 先週はインフルエンサーという「影響力を持つ人(有名人)」について紹介しました。実際に私たちの触れる放射線に関わる情報の多くが、ごく限られた少数のインフルエンサーによって発信されていたことが分かっています。

 そこに、閉じた空間の中で自身と同じ声が増幅され、違う声がかき消されていく現象(エコーチェンバー)や、知らず知らずのうちに、自分が見たくないような情報が遮断されてしまう現象(フィルターバブル)が起こってしまいます。その結果、情報を探してネットを使うと、最初に見つけた情報と同じタイプの偏った情報に多くさらされてしまう可能性もあるわけです。

 ネットの世界は無限に広く、どのような情報もその重要性にかかわらず、いくらでも発信され、ためこまれてしまいます。情報の受け手が、よりその特徴を理解しなければならないのです。