検査の長短を考えて判断

 

 県民健康調査の一つである「甲状腺検査」は、震災時点において本県に在住していた18歳以下の全県民を対象とした、甲状腺に対する検査です。その当時のあったかもしれない放射線被ばくなどの影響により、現在の甲状腺の状況がどうかを見守るための検査です。

 この甲状腺検査は、強制ではありません。希望される方が受ける検査になります。そのため、検査を受けるかどうかについては、それぞれがさまざまな情報から判断していただく必要があります。

 大切な情報の一つは、この甲状腺検査にはメリットだけではなく、デメリットも存在するということです。メリットとして、検査で異常がなければ安心できるといったことや、もし何か異常が見つかっても早めの治療や対応ができるというのは想像しやすいと思います。

 その一方のデメリットの一つとして、将来に日常生活や命に影響を及ぼすことのないがんを発見し、治療する可能性があるというものがあります。全てではありませんが、一般的に、甲状腺のがんは極めてゆっくりと進行し、予後(治療後の経過)が良いとされており、生命に関わることはまれであることが知られているというのがその理由の一つです。