いわきFC...課題と収穫 東北社会人1部、開幕戦を無失点勝利

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開幕戦に勝利し、サポーターに感謝するいわきFCの選手たち=14日、女川町総合運動公園

 宮城県女川町で14日行われた東北社会人リーグ1部初戦は、本格始動4年目のいわきFCにとって、昨季までとは違った緊張感漂う接戦となった。守備陣の奮闘で勝ち点3をつかんだが、持ち味の攻撃力は鳴りを潜めた。日本フットボールリーグ(JFL)昇格が懸かる勝負の年。昨季はJFLに所属していた強豪からの白星にも、選手、監督の口からは課題が漏れた。

 「逆のスコアになってもおかしくない試合だった」。開幕戦の勝利にも田村雄三監督(36)の表情は硬かった。コバルトーレ女川(宮城)相手に、奪われたボールを5秒で取り返し、8秒でシュートに持ち込む速攻のスタイル「5秒8秒ルール」を果敢に仕掛けたが、十分に機能したとは言えなかった。

 シュート数は女川の7本を下回る5本。決定的チャンスは、スローインから抜け出したFW赤星魁麻選手(22)の先制の場面など数回にとどまった。高い技術を持つ新加入選手を起用し、長短のパスで相手を揺さぶったが、突破口はなかなか開けなかった。

 田村監督は「攻撃を崩す位置が低かった」と課題を挙げる。理想とする速攻の形は、敵陣や中盤付近で奪ったボールを素早く前に運ぶ動きが求められるが、強豪を相手に攻撃面の課題が浮き彫りになった。

 ただ、守備面では収穫もあった。細かいパスで攻め上がる相手に、複数の選手がプレスを掛けて数的優位をつくり、決定機を与えなかった。GK坂田大樹選手(24)は「無失点での勝ちは次につながる」と振り返る。今季はJFL昇格に向けた強豪との戦いが予想される。接戦を勝ち抜く上で、相手の得点の芽を摘み、少ないチャンスをものにする勝負強さが必要となる。

 5月には3年連続の代表を狙う天皇杯県予選と、同リーグ戦で昨季無敗優勝したブランデュー弘前(青森)とのリーグ公式戦第2戦など今季を占う重要な試合が続く。白河市から応援に駆け付けた会社員助川智さん(46)は「まだ始まったばかり。修正に期待する」と快進撃に期待を込めた。