【大熊町】 除染進め復興の拠点に、地域再編で町長期待

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【大熊町】 除染進め復興の拠点に、地域再編で町長期待

「町全体の避難指示解除までは時間がかかるだろう」と話す渡辺町長

 大熊町は2012(平成24)年12月、避難指示解除準備、居住制限、帰還困難の3区域に再編された。渡辺利綱町長は「帰還困難区域の除染が進まない。区域によって家財の賠償に差がつくという点で町民に亀裂も生じてしまった」と、区域再編によって生まれた弊害に悔しさをにじませる。「居住制限区域と避難指示解除準備区域で本格除染が行われたことで、復興の拠点づくりという位置付けができたことは一定の評価ができる」とも語るが、復興への道のりは相当長い。

 町内の放射線量は自然減衰により低下している。渡辺町長は「あと5年もすれば、自然減衰で帰還困難区域は縮小するだろう」と見通す。ただ、自然減衰だけで町で暮らせるようになるとは考えていない。渡辺町長は線量が下がることで除染が可能になる地域が拡大することに期待する。

 再編を受けて町は、大川原地区に復興拠点を整備する考えだ。来年度にも上下水道も整備できる見通しで、電気なども含め生活環境の再生に向けた準備が進んでいる。同地区には東電が原発作業員ら向けの給食センターを建設する予定。最初は特定の業務に就く人に制限されるとみられるが、町内に宿泊できることも現実味を帯びてきた。しかし、渡辺町長は「制限付きの宿泊と避難指示の解除は別の問題」と指摘する。さらに「町全体の避難指示解除は(県内の自治体で)一番時間がかかるだろう。いつになるかは見通せる状況でもない」と加えた。

 30〜40年かかるという第1原発の廃炉や、整備が決まっている給食センターをはじめ、仮に中間貯蔵施設が整備された際の作業など原発関連の仕事で人が働くという状況が町内では当分続くことになりそう。だが居住環境は復旧しても、それが新しいまちづくりにつながるのかは未知数だ。