伊達市は「低線量地区」追加除染へ 市民の要望基に対策

(数字はいいね)  このエントリーをはてなブックマークに追加 
伊達市は「低線量地区」追加除染へ 市民の要望基に対策

伊達市がCエリア全戸に配布した除染に関する調査票。市民の要望を基に今後の対策を検討する

 伊達市は避難区域の飯舘村に隣接し、原発事故後、市内の一部地域は「特定避難勧奨地域」に指定されていた。市は市内を線量の高い順にA、B、Cの3エリアに区分、市北部のCエリアでは宅地で年間5ミリシーベルト以下に線量を低減することを目標に、除染を行っている。

 しかし、低線量のCエリアは局所的に線量の高い部分の除染にとどまり、住民の不安が募っていた。今年1月に行われた市長選は、このCエリアなど低線量地域の除染が大きな焦点となった。

 市民の思いはさまざま。同市梁川町の農業男性(40)は全戸の面的な除染を求める。除染作業員として福島市で働いた経験から、伊達市の除染に疑問を抱く。「仮に希望する1軒だけ除染しても周りもやらなければ意味がない」一方、1〜6歳の子ども3人を抱える同市保原町の会社員男性(33)は「町の中では気にならない」と話し、生活圏の追加除染を希望しない。これまでの除染で一定の安心感を得ている。

 市は1月、低線量地域の約1万5000戸に除染などへの要望を聞く調査票を配布。2月末までの回答率は3割弱、うち7割が現在の除染に不安を抱き、残り3割は追加除染を希望していないという。今後、市は具体的な手法を検討するが、市民の要望にどれだけ応えられるかが課題となる。

 田村・都路「ホットスポット対応して」 

 国が4月1日の避難指示解除を決めた田村市都路地区の避難指示解除準備区域。区域内の除染完了後も、国が長期目標とする年間追加被ばく線量1ミリシーベルト(空間線量で毎時0.23マイクロシーベルト)の基準を上回る場所は残り、線量低減に向けた国の継続的な取り組みが住民の不安解消の鍵を握っている。

 国は2月23日の住民意見交換会で「効果は限定的」として再度の面的除染は行わない方針を伝えたが、除染後のモニタリングで一定の線量上昇が見られた場合は土壌の撤去などを行う方針を示した。住民は国の対応に期待を込める。

 同地区の農業坪井幸一さん(65)の自宅周辺は、除染で空間線量が平均で毎時0.25〜0.3マイクロシーベルト程度まで下がった。不安の種は自宅裏の杉林だ。場所によっては毎時1マイクロシーベルトを超える場所もあるといい、坪井さんは「幼い孫も遊びに来る。ホットスポットはしっかり取り除いてほしい」と訴える。

 大熊町再生へ「除染継続を」

 大熊町は避難指示が出されてはいるが、住民の一時帰宅や東京電力福島第1原発の廃炉作業に当たっている人、通過交通などで相当の人の動きがある。しかし、除染は大川原、中屋敷両地区で国による本格除染が行われただけで、ほかはモデル除染などを除き、手付かずのままだ。

 同町の坂下ダム施設管理事務所内にある町現地連絡事務所で働く町職員OBの横山常光さん(61)は「これだけ人が動いているのに除染がなされていない」と声高に訴える。町職員OBの岡田範常さん(61)も除染の必要性を強調する。「帰らない人の支援は必要。しかし、除染をして町を取り戻す施策も並行しなければ」

民友セレクション