仮設住宅、原則終了へ集約進む 「あくまで応急的住まい」

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仮設住宅、原則終了へ集約進む 「あくまで応急的住まい」

 【仮設】震災から間もなく4年半を迎えるが、県内の仮設住宅には依然として、震災、原発事故による多くの避難者が生活する。県は、2017(平成29)年3月に仮設住宅の入居期間が原則終了するのを見据え、仮設住宅の集約や撤去を進めている。22市町村にある1万6800戸のうち、これまで247戸を撤去するなどした。

 県によると、避難者が実際に居住する仮設住宅は7月末現在、1万806戸で、2万884人が避難生活を送る。県は年に1度、各仮設住宅を点検して不具合があれば修繕しており、最低限の住環境は確保されているという。ただ、担当者は「仮設住宅は、あくまで応急的な住まい。恒久的な住宅に移ってもらうのが望ましい」と話す。

 仮設住宅から復興公営住宅などへの転居が進むにつれ、仮設住宅のコミュニティーが失われることも問題視されている。県は本年度、仮設住宅などで避難者の相談に応じる生活支援相談員の定員をこれまでの約200人から約400人に倍増し、さらにきめ細かな被災者支援を目指している。

 「忘れられていないか」

 人口約1万1000人の大熊町は、仮設住宅の転居者が増え続け、自治会運営に支障を来すケースが出てきている。町役場がある会津若松市の仮設住宅は、その傾向が顕著だ。

 町によると、いわき市への転居者が特に増加している。震災当初は会津若松に3千人超、いわきが1000人台だったが、今年8月1日現在では、会津若松1599人、いわき4415人。町担当者は「転居者が増えたのは、いわき市の仮設住宅でも同じ。新天地に建てた住宅に引っ越す人が増えている」とする。

 「仮設からの転居は自立に向けた一歩。だけど自治会運営は負担が増えている」。会津若松市の長原仮設住宅で自治会副会長を務める野村剛さん(70)と、元役員の山本秀一さん(53)は胸の内を明かす。

 同仮設では、ピーク時の約120世帯から約50世帯にまで減った。「残っているのは、高齢者世帯や1人暮らし世帯が多く、家にこもりがちになる。今こそ入居者への支援が必要なのに忘れられていないか」と心配を募らせる。