森林除染、全域で「2兆円超」 産総研が試算、さらに費用も

 

 産業技術総合研究所(産総研)の森林除染の試算によると、双葉郡など国が直轄で除染を行う地域で、1ヘクタールの森林除染にかかる費用は約3200万円。国直轄地域の全森林の約5%に当たる現行の除染対象エリア(生活圏から20メートル)の面積は3850ヘクタールで、除染をすると費用は約1200億円かかる計算となる。

 除染を現行のエリア(全体の5%)だけでなく全域に広げると、単純に20倍とした場合、2兆円超がかかる。ただ、産総研によると、山奥まで除染を行うと仮定した場合、移動時間などで単価が上がるため、さらに費用がかさむという。

 試算は国直轄地域が対象のため、市町村が除染を行う地域も合わせればさらに膨大な費用がかかるとみられる。

 産総研は併せて森林除染の効果も試算、現行のエリアと、森林全域でそれぞれ落ち葉や腐葉土除去の除染を行った推定で、除染後の生活圏の空間線量率に大きな差はないと結論付けている。