【ニュースを追う】コミュタン福島開所から半年 認知度向上が課題

 
コミュタン福島の全球投影型のシアター。施設の県外への認知度向上が課題だ

 三春町の県環境創造センター交流棟「コミュタン福島」は1月21日、開所から半年を迎えた。半年で約4万3000人が来場し、放射線や再生可能エネルギーに理解を深めた。一方、いかに県外の認知度を高めるかが課題となっている。

 コミュタン福島の展示室では模型や映像、体験型の展示で放射線や再生可能エネルギー、原発事故からの本県の歩みなどを学ぶことができる。県によると、これまで県内の小学校約150校が学習に訪れた。施設は県内の学校で取り組まれている放射線教育の理解促進を図る役割も担う。同センター総務企画部の鈴木秀寿部長は「学校で学んだことを体を動かしながら復習できるのが施設の強み」と話す。

 施設では定期的に科学実験を体験するイベントや、国立科学博物館(通称・科博、東京都)と連携した展示会などを開催。今月からは館内の360度全球投影型シアターで、科博のオリジナル番組の上映も開始。「リピーター獲得」にも力を入れる。

 課題は施設の認知度の向上。県は教育旅行の誘致などで風評被害の払拭(ふっしょく)につなげたい考えだが、これまで県外から学校単位での来場はない。県は都内のイベントで施設を紹介したり、学校関係者を招いた教育旅行モニターツアーの視察地に施設を組み入れるなどの取り組みを進めている。鈴木部長は「(本県の現状を)知らないことが風評被害の根本だと思う。施設を訪れて福島のことを知ってもらいたい」と話す。