【起き上がり小法師】〔相馬・Sweetrap〕相馬活性化助けたい

 
「人々が集い松川浦活性化につながれば」とコーヒーを入れる青木さん

 復興に向けた歩みが着実に進む相馬市松川浦の沿岸部に今年3月、服飾店兼コーヒーショップ・Sweetrap(スウィートラップ)をオープンした。海上コンテナを利用した真っ白な店舗からは海を望める。同市出身の店主青木宏和さん(43)は「人が集まる場として松川浦の活性化につながれば」と願い、訪れた人を出迎えている。

 青木さんは福島大卒業後、服飾会社に入社し、店舗担当、バイヤーを計20年務めた。入社時から自分の店を出すことを目標にする中、発生した東日本大震災。津波で古里や知人が被災し、行方不明者の情報を求め避難所に足を運んだ。「地元で店を出す思いが強くなった」。昨年7月、会社を辞めて仙台でコーヒーの修業を積んだ。

 使用するコーヒー豆は修業した仙台の店と提携し、仕入れている。その縁で県内のほか、仙台からも多くの人が訪れており、青木さんは「観光面も含め相馬と仙台、県外の人との交流のきっかけになれたらうれしい」とコーヒーを注ぐ。

 服飾品の仕入れ先は東京など多岐にわたり、セレクトショップとして東北で唯一のブランドも扱う。店の準備段階から地元の知人ら多くの人から応援を受け、「感謝しかない」と語る。

 周辺では相馬港周辺の整備が進み、来夏には原釜尾浜海水浴場が再開見込みだ。「潮干狩りなども始まれば相馬の浜はもっとにぎわっていく。人が足を止める場所として、にぎわいを取り戻す助けになれれば」。交流イベントも開いており、店内は集いの場として多くの人の声が響いている。

 営業時間は午前10時~午後8時。水曜日定休。