廃炉へようやく『足掛かり』 方法決まらず...課題は処理水の処分

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凍土壁で地盤を凍らせるための冷却材が流れる配管

 東京電力福島第1原発の廃炉作業は1~3号機の原子炉格納容器内の調査が進む一方、放射性トリチウムを含む処理水の処分方法が決まらず、課題が残る。日々増え続ける処理水にどう向き合うか、東電や国の姿勢が問われている。

 原子炉格納容器内の溶融核燃料(デブリ)は今も熱を出すため水で冷やされており、高濃度の放射性物質を含んだ汚染水が生まれる要因となっている。

 多核種除去設備(ALPS)の稼働で汚染水の処理は進んだが、水と性質が似た放射性トリチウムは分離できない。トリチウムを含む処理水は増え続け、保管量は約85万トンに達した。その他の汚染水と合わせると約105万トンを地上タンクで保管。東電は2020年までに137万トン分を確保する計画だが、数年で許容量に達するとみられる。

 トリチウムは通常の原発でも発生する。人体への影響は極めて小さいとみられ、一定の範囲内ならば希釈して海に流すことが認められている。原子力規制委員会は東電に海洋放出を勧めるが、さらなる風評被害を懸念する県や地元の漁業団体は慎重姿勢を崩していない。国の小委員会は科学的、社会的視点から処分方法を検討、東電は小委の結論を待つ構えだ。

 凍土遮水壁で対策

 汚染水は地下水や雨水が建屋内に入ると増加する。このため東電は1~4号機の建屋周囲の地盤を凍らせる「凍土遮水壁」の対策を実施。その結果1日当たりの汚染水の発生量が半減したとする。建屋周辺の井戸「サブドレン」からの地下水くみ上げなど他の方法を組み合わせると、凍土壁稼働前の2015年冬に1日当たり約490トンだった汚染水は同約110トンに減ったとしている。

 屋根カバーを設置

 3号機では2月下旬、使用済み燃料プールからの燃料取り出しに向け、建屋上部にかまぼこ型の屋根カバーが設置された。今秋にも燃料取り出しを始める。3号機の原子炉建屋は水素爆発で損傷、プール内には未使用を含む燃料566体が残る。使用済み燃料は強い放射線を出すため廃炉作業での大きなリスクだ。燃料取り出しは炉心溶融(メルトダウン)した1~3号機では初めてとなる。

廃炉へようやく『足掛かり』