「見回り隊」24時間365日パトロール 帰還と避難...双方に安心を

 
パトロールの打ち合わせをする青木さん(左)ら

 一部地域を除き4月に避難指示が解除された大熊町では、「町見回り隊」の隊員が大川原、中屋敷の両地区で24時間365日パトロールを行い、犯罪の未然防止に努めている。

 パトロールは町内の安全確保を目的に実施。町出身者が避難先から通い、複数の班に分かれて行っている。「自分たちが見回ることで、帰ってきた人たちも、避難している人も安心感を持ってもらいたい」。班長を務める青木めぐみさん(47)はこう話す。

 青木さんらはこれまでに、原発事故のために通行止めになっている道路で迷ってしまった人や、不審者を発見するなど、町内の安全確保に一役買ってきた。「車が止まっていたり、気になったら声を掛けるようにする。見回ることで犯罪の抑止になるはず」。別の班では避難指示解除前、空き家から物音がすることを不審に思い敷地内を確認したところ建造物侵入容疑の男を発見、逃走を防止するなどして容疑者逮捕に協力した。

 4月の避難指示解除、6月の災害公営住宅の入居開始など、少しずつではあるが住民の帰還が始まっている。「町内に人が戻ってきたことは大きな変化。人がいることで自分たちの気持ちも前向きになっていく」。青木さんは町民、そして町を守る決意を新たにしている。