鵫巣博双葉署長に聞く 「犯罪抑止へ不審車両には積極的な職質」

 
「住民の安全と安心の確保に全力で取り組む」と語る鵫巣署長

 双葉郡8町村の治安を守る双葉署の鵫巣(とうのす)博署長に管内の犯罪抑止に向けた取り組みを聞いた。

 ―帰還困難区域で空き巣被害が多発している。
 「特に夜間に被害が集中しているとみられる。震災、原発事故から8年以上が過ぎ、住民の多くは避難先に自宅の貴重品を持ち出しているが、それでも家の中が物色される事態が後を絶たない。住民帰還の大きな妨げになるので、抑止と摘発に力を注ぐ」

 ―具体的な取り組みは。
 「双葉署は本年度、署員が8人増えた。いわき中央署と県警特別警ら隊の応援も得て連日、帰還困難区域内を中心にパトロールを強化している。自治体も帰還困難区域内に防犯カメラの設置を進めており『夜間に人が歩いている』との通報もあった。関係機関と連携して目を光らせる」

 ―犯罪の兆候を見逃さないことも大事だ。
 「不審な車両などを見つけた際には積極的に職務質問を行っている。職務質問技能指導官が毎月3~4回の頻度で双葉署を訪れ、指導を受けている署員の能力がより高まってきた。職務質問により飲酒状態で運転していたドライバーを摘発し、重大事故につながりかねない事態を防いだこともある。こうした取り組みを空き巣被害の抑止にもつなげたい」

 ―盆の入りを迎え、一時帰宅する住民が増えると予想される。
 「普段と変わらずパトロールを続ける。全力で治安の維持に努め、古里に帰る住民の安全と安心を確保したい」