「復活の夏」へ準備着々 楢葉・岩沢、海開きへ情報発信の必要性

 
海開きを前にした海辺を見回る町と町振興公社の職員=楢葉町・岩沢海岸

 楢葉町の岩沢海水浴場は15日、今シーズンの海開きを迎える。「まずは海水浴場が復活していることを知っていただくことが大事だと考えている」。海水浴場の指定管理者である楢葉町振興公社の坂本裕事務局長(40)は、震災後2回目の海開きに向け、情報発信の必要性を挙げる。

 岩沢海水浴場は、震災による津波で海辺の関連施設が流されるなどの被害を受けた。町が2018年度から復旧工事を進め、昨夏ようやく海開きを再開させた経緯がある。町によると、昨年は海水浴場のオープン期間中に7539人が来場した。だが、震災前のにぎわいには達していないのが現状だ。

 楢葉町生まれの坂本さんは子どもの頃から岩沢海水浴場に親しんできた。「原発事故で避難して町外に生活の拠点を置いた人たちも海水浴場を見に楢葉へ来てもらえればいい」と期待する。公社は昨年の海水浴場運営の経験を生かし、より安全な環境を確保するためのライフセイバーの配置や売店の商品の充実などを考えている。

 海開きの期間は8月18日まで。期間後にはなるが、同20日にはサーフィンの大会「岩沢サーフィンゲームス」が震災後初めて開催される。坂本さんは「認知度を少しずつでも高めて、来場者数を右肩上がりにしていきたい」と語った。