「東北中央道開通」手応え上々 相馬・原釜尾浜、にぎわい再生へ

 
建設中の海の家の前に立つ青田さん。「今年こそ多くの人でにぎわってほしい」と期待する=相馬市・原釜尾浜海水浴場

 「新型コロナ(の流行)明けだから期待しているけれど、海水浴は天気次第。今年こそ、たくさんのお客さんが来てくれればいいのだが...」。相馬市の原釜尾浜海水浴場で、海の家の開設に向けて準備を進める青田祥寿さん(43)は、建設現場を前につぶやいた。

 市観光協会によると、過去2年間の海開き期間の入り込み客数は天候や新型コロナ禍の影響で、ともに1万5000人台にとどまった。震災後8年ぶりに海水浴場を再開した2018年以降、入り込み客数が最も多かったのは19年の約2万人だが、震災前となる10年の5万6000人には及ばない。

 市観光協会の担当者は「10年の間に若者の余暇の過ごし方が、がらりと変わった。以前のように、高校生や大学生がグループで訪れることが減っている」と解説する。青田さんも「自分が子どもの頃はパラソルを立てる場所もないほどだったが、最近はそんな光景を目にすることはなくなった」と印象を口にする。

 とはいえ、にぎわいの再生へ明るい材料もある。21年の東北中央道「相馬福島道路」の全線開通後、県北地方や山形県方面からの来場者が増えており、関係者は新たな手応えを感じている。青田さんは「ここは遠浅の海で、波が穏やか。家族連れでにぎわってくれれば、うれしい」と話した。