【 田村市・開宝 花の湯 】 その時間...誰より自由 死海体験できる

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脱力からの「フワリ」。死海風呂ではさまざまなストレスから解放される

 アラビア半島北西部にある塩湖「死海」。塩分濃度は約30%と海水の約10倍で、体を浮かべて入浴できるということで観光地として人気を集めている。そんな海外リゾート地の雰囲気を楽しむことができる「死海風呂」が田村市にあると知り、足を運んだ。

 同市船引町の中心市街地から車で約5分の場所に「あぶくま高原の宿 開宝 花の湯」がある。田村富士と称される片曽根山を一望でき、周囲は木々や花々に囲まれている。四季折々の自然を堪能できる「隠れ家」のような風情だ。「ゆっくりしていってください」。社長の佐久間善一さん(48)が温かく迎えてくれた。

 ◆脱力で「フワッ」

 創業は25年前。佐久間さんの母アサ子さんが元々、JR船引駅近くで食堂を営んでいた。旧船引町役場の職員が出入りすることが多く、食事をしながら町の将来像を語り合っていた。その中で「船引には町外からの人を受け入れる宿泊施設や、町民が集える場所が少ない」という話が出た。

 アサ子さんと父善隆さんは1994(平成6)年11月、花の湯を開館。宿泊や宴会、会議、入浴ができる施設の建設は、まちづくりの一環でもあった。昨年11月には、首都圏からのスポーツ合宿誘致などを見据え、離れの宿「花林庵」をオープンした。佐久間さんは「地元の人に喜んでもらえる施設に。交流人口を拡大し、地域に貢献したい」と抱負を語る。

 一方、開館当初は大浴場だけで、風呂の充実が課題となっていた。温泉ではない温浴施設にあって「ほかとは違った切り口が必要だった」と佐久間さん。東京の商社の勧めもあり、04年に死海風呂と露天風呂を新設した。死海風呂は水約2トンに対し、海外から輸入した約1トンの塩を入れる。美肌や皮膚疾患、関節痛などへの効果が期待されるという。

 大浴場から一度外に出て、10歩ほど進むと死海風呂に着く。正面には「入り方の心得」が記されていて、そこには「力を抜くこと」とある。どういうことだろうと不思議に思いながら、脱力に全力を傾けることにして風呂に入った。すると、尻や背中の辺りから浮力を感じ、体全体が「フワッ」と浮いた。重力に逆らい、体に掛かるさまざまなストレスから解放される。ただ、体のどこかに力を入れてしまうと沈みそうになるので、注意が必要だ。浮いていると、しばらくの間何も考えていなかったことに気付いた。頭の中が空っぽ状態。身も心も湯にゆだねることで、こんなにもリラックスできるとは思っていなかった。

 湯船につかって気持ちがいい時に「極楽、極楽」とはよく言ったものだ。もし天国が空の向こうにあるとするならば、死海風呂で体が浮いて空との距離が縮まった分、「極楽」に少し近づいたのかもしれない。

 【メモ】開宝 花の湯=田村市船引町船引字沼田65の16。日帰り入浴は中学生以上500円(税込み)、小学生以下200円(同)、3歳以下は無料。時間は午前9時~午後10時。

田村市・開宝 花の湯

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 【地元産品使ったスイーツ】田村市都路町の6次化商品生産販売施設「みやこじスイーツゆい」は、都路産の卵を使ったお菓子を提供している。人気商品は卵黄と生クリームでなめらかな食感に仕上げたプリン「ゆいプリン リッチ」(税込み324円)、地場産品のパッションフルーツやイチゴ、ヤマブドウを活用した3種類のチーズケーキ(各税込み324円)。都路小の児童たちが開発したジャム「都路キュウリマン」(1瓶税込み500円)を並べている。時間は午前9時30分~午後6時。水曜日定休。

田村市・開宝 花の湯

〔写真〕都路産卵を使ったスイーツが並ぶ「みやこじスイーツゆい」