「白河の関越え」今年こそ、通行手形送り激励 東北勢の優勝願う

 
通行手形を手に「優勝旗の白河の関越えを期待している」と激励する西田さん

 第104回全国高校野球選手権大会で福島県代表の聖光学院が4強に進出し、春夏通じて初の優勝に期待が高まっている。本県を含む東北勢は一度も優勝経験がなく、悲願達成は栃木と福島の県境にあった関所になぞらえて「白河の関越え」ともいわれてきた。白河関跡に鎮座し、優勝旗が白河の関を通るための通行手形を東北勢の甲子園出場校に送り続けてきた白河市の白河神社は「今年こそ」の思いを強くする。

 「東北勢に何とか優勝してほしいとずっと応援していたので」。白河神社の宮司西田重和さん(74)は通行手形を送るようになったきっかけを明かす。

 通行手形は20センチほどの木札に校名と「通行手形」と書かれている。西田さんはこの手形を1997(平成9)年から毎年、東北6県の代表校の優勝を願い、必勝祈願の札とともに郵送してきた。今年も聖光学院を含む東北6県の代表校に送っている。

 白河の関は奈良から平安時代ごろに機能し、人の往来などを取り締まっていたとされる関所の一つ。優勝旗の「白河の関越え」は、西田さんの悲願でもある。

 そのほか、同神社付近に「目指せ!甲子園野球大会優勝」「白河関越え通行手形を携えて!」と書かれた高校球児を鼓舞する看板も設置。高校球児の保護者も多く訪れることから、「勝」と書かれたお守りを授与するなど、東北勢の優勝を願い続けてきた。

 西田さんは今大会の聖光学院の奮闘ぶりをテレビで観戦。「全体的にまとまっていて、強豪相手にも気後れせず、いい試合をしてきた」と話す。

 聖光学院と仙台育英が準決勝で対戦するため、東北勢の決勝進出は確実になった。決勝戦が行われる22日は、白河関跡の前で市によるパブリックビューイングも行われる予定。近づく「悲願達成」の時。西田さんは「今年こそ、優勝旗の白河の関越えを期待している」と言葉に力を込めた。

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