新酒金賞『7連覇』快挙達成の秘密紹介 「3年前の造り参考」

 
県産酒の快挙を支えた秘密を紹介する鈴木副所長

 県ハイテクプラザ会津若松技術支援センター・県産品加工支援センター合同の技術交流会が12日、会津若松市の同技術支援センターで開かれた。全国新酒鑑評会での金賞銘柄数7年連続日本一に貢献した鈴木賢二同技術支援センター副所長・醸造・食品科長が、快挙達成の秘密を紹介した。

 鈴木副所長は「年によって、原料米の性質が変わり、ベテランの杜氏(とうじ)でも前年のデータを当てにできない。酒造りは毎年が一年生」と清酒醸造の難しさを解説。本県が高品質な日本酒を安定して製造できる要因として、酒造りの技術を学ぶ「県清酒アカデミー」での人材育成、蔵同士が技術を高め合う「高品質清酒研究会」での情報交換、金賞を獲得するための要点をまとめた「吟醸酒製造マニュアル」、米質に合わせた酒造りを可能にする「年別製造指針」の四つを挙げた。

 鈴木副所長は、年別製造指針を示す12月の酒造講習会を「作戦会議」だとし、昨年は原料米となる兵庫県産山田錦が過去10年で最も溶けやすい性質だったため「(三段仕込みの)仕込み配合を変えて対応し、溶けやすかった3年前の造りを参考にするよう話した」と7連覇の内幕を明かした。さらに「今年もいい酒を造り、記録更新に向けまい進したい」と意欲をにじませた。