「金水晶四季の蔵」開所 新酒完成、水質日本一・荒川の水活用

 
新酒の完成と開所を祝った鏡開き=福島市荒井

 福島市の金水晶酒造が同市荒井に建設した新しい酒蔵「金水晶四季の蔵」の開所式が16日、現地で行われた。関係者が新酒の完成と新たなスタートを祝った。

 同酒造は2022年3月16日の地震で被災し、13年連続で「水質日本一」に選ばれている荒川の水を使用できる場所に酒蔵を移転新築した。新しい酒蔵は敷地面積約3100平方メートルで、直売所やリキュール棟を新設。仕込み部屋は室温を常時5度に保つことができるため、年間を通じてより品質の高い酒を製造できるという。本社機能は同市松川町に残す。

 開所式では斎藤湧生(わくお)社長が「ちょうど2年前は失意のどん底だった。しかし、皆さまのおかげで希望の日を迎えることができた。四季を通じてフレッシュな酒を届けられるよう頑張りたい」とあいさつした。福島信用金庫の樋口郁雄理事長、木幡浩市長が祝辞を述べ、関係者が鏡開きを行った。出席者には新酒や酒かすを使用したノンアルコールのアイスクリームなどが振る舞われた。

 直売所では金水晶純米酒や金水晶特別純米、モモと日本酒のスパークリングリキュール「ちびもも」などが販売されている。同酒造は酒造りに使用するコメをこれまでの兵庫県産の山田錦から県産米に変更し、醸造アルコールを添加しない純米の県産酒とした。斎藤美幸会長は「福島の良さを日本中に伝えていきたい」と意欲を語った。

金水晶四季の蔵