國権3位、吉の川が5位 南部杜氏清酒鑑評会、吟醸酒の部

 
「香味のバランス良く仕上がった」と話す国権酒造の佐藤さん(左)と「笑顔になる日本酒を造りたい」と話す吉の川酒造の冠木さん(右)

 南部杜氏(とうじ)協会(岩手県花巻市)は19日、2021酒造年度(20年7月~21年6月)の日本酒の出来栄えを競う南部杜氏自醸清酒鑑評会の審査結果を発表した。本県からは吟醸酒の部で国権酒造(南会津町)の「國権」が3位、吉の川酒造店(喜多方市)の「吉の川」が5位に入った。

 吟醸酒の部に120製造場の312点、純米酒の部に115製造場の325点の出品があり、高評価を得た優等酒の中から上位入賞酒を決定した。

 吟醸酒の部は渡辺酒造(栃木県)の「旭興」、純米酒の部は森島酒造(茨城県)の「富士大観」が1位に輝いた。

 本県の蔵元は吟醸酒の部で10点、純米酒の部で8点が優等酒に選ばれた。

 鑑評会は1911(明治44)年に始まり、今年で103回目。表彰式は5月25日に花巻市で行われる。

 国権酒造、データの蓄積が成果に

 吟醸の部で3位に入った国権酒造杜氏(とうじ)の佐藤吉宏さん(70)は「長年の経験とデータの蓄積が成果に出てた」と胸を張った。

 昨年の東北清酒鑑評会純米酒の部で初めて最優秀賞を獲得するなど各種鑑評会で上位入賞を続ける。佐藤さんは「毎年、1年生の気持ちで仕込んでいる。最高の素材で香味のバランスが良く仕上がった」と笑顔を見せた。細井信浩社長(50)は「明るい話題を提供できてうれしい。重圧もある中、蔵人の技術力が証明された」と話した。

 吉の川酒造、笑顔になる日本酒造る

 吟醸の部で5位となった吉の川酒造店代表社員の冠木孝さん(71)は「伝統ある品評会で上位入賞でき、誇らしい。苦労が報われて良かった」と笑顔を見せた。

 同部で1位を獲得したことがあるものの、近年は上位入賞を逃していただけに喜びはひとしお。香り高く納得のいく出来栄えに仕上がったといい、冠木さんは「地元の人が『喜多方にはうまい酒がある』と誇りを持てるように、これからも高品質で(飲んだ人が)笑顔になる日本酒を造りたい」と意気込みを語った。

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